叡福寺清子

ガール・ピクチャーの叡福寺清子のレビュー・感想・評価

ガール・ピクチャー(2022年製作の映画)
4.0
視聴中思い出したのは「リコリス・ピザ」でした.こんばんわ.三遊亭呼延灼です.あの作品にセクシャリティーというスパイスを加えて出来上がったのが,本作でございます.

等身大という陳腐な言葉は控えたいのですが,実際その通りだからしょうがございません.17歳,18歳の頭の中なんて,助平が98%を占めているわけでして,あとは出会いがあるかどうか,上手く相手が見つかるかどうか,だけの問題でございましょう.実際,フィギュアスケートの青春を捧げてきたエマさんはミンミさんという伴侶を見つけ,そしてもっと一緒にいたいからと,14年で初めて練習に遅刻したじゃございませんか.これが世にいう『盛のついた猿』ってヤツでございます.でもそれは悪いことじゃございません.若い肉体が二つあって,互いが好き同士だったら,そうなるのは自然の摂理.性別なんざぁ関係ございません.好き同士だったら大いにイチャイチャすりゃよろしいんですよ.
ミンミさんの親友のロンコさんは,対照的に色んな男性と助平を試みますが,どうも上手く行きません.気持ちよくならない.体は反応するようですが,気持ちが醒めています.ミンミさん御本人を含め視聴された方は,どういうこと?ホントに好きじゃないから出来ないの?っと思われた方もいらっしゃると思います.が,ミンミさんはアセクシャルな方だったのでしょう.日本ではまだまだ馴染みのない性的指向性でしょうが,例えば「そばかす」の蘇畑佳純さんみたいな方といえば,あぁぁと納得していただけるのではないでしょうか.“でもミンミさん姦ろうとすんじゃん”との反論が聴こえてきそうですが,要は周囲の合わせて“私も人を好きになるもんだし,セックスだってやるもんだ”と言ってただけ.そもそも17歳の少女が“私,全然セックスに興味ないかも”って自覚してるほうが珍妙だと思うのですがね.

あぁでもね,そういうのは本当はどうでもいいんですよ.単純に17歳の女の子が活き活きとしてたり,苦しんでいる姿に共感するのが,本作の正しい視聴法なんですもの.