皿鉢小鉢てんりしんり

かがみの孤城の皿鉢小鉢てんりしんりのレビュー・感想・評価

かがみの孤城(2022年製作の映画)
3.3
最初に孤城に行った時に、連れてこられた7人は誰も靴を履いていない。家の中の鏡から連れて来られているので履いていないのだが、“おおかみさかま”だけ履いているので、圧倒的靴ヒエラルキーが強調されている。
2回目以降、主人公の少女はわざわざ靴を持っていく描写がサラッと入っていたりする。
そして終盤鏡が割れると、靴を履いて破片を避けてから入る描写をきっちり描く。ラストカットまで靴である。
靴だけは絶対に演出してやる、という局所的映像戦略だけが原恵一の残骸のように印象に残る。
あとは“一般的なアニメ映画の客層”を意識してのことか、ひたすらに“説明と展開”だけでできていて、ちょっと原恵一どうしてしまったのやら……
終盤のキャラクター全員分の“抱えている悲惨な出来事”を順番にやるところとか本当にクドいし、テレビゲーム的なキャラクター描写量平等主義が大っ嫌いなので辟易させられる。ああいう他人のトラウマが見える描写ならデ・パルマの『悪魔のシスター』の凄まじさを見習ってほしい。
みんな会えなかったくだりで、時代が違うとかですかね……と思っていたらコナンがパラレルワールドだよ!って言うから、すみません、と心の中で謝った。が最終的には無能名探偵に勝ちました!やったね👍🏻