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ある惑星の散文のsunflowerのレビュー・感想・評価

ある惑星の散文(2018年製作の映画)
3.5
何かが起こるようで起こらない。

何も起きていないようで確実に何かが起きている。

そんな、誰しもの人生に当てはまるような断片を切り取った、或いはすくい取ったような作品で、個人的には好みに近かったです。

ルイが彼とスカイプで話す時に着ていた白黒のボーダーのチュニックが、毛玉というか、毛羽だってしまっていて、着古している感が出ているのも、生活感が出ていて良かったです。
しかも、特に毛羽立っている箇所が、座った時にちょうどテーブルに当たる腰の高さ辺りに集中しているのも、「この作品のためにわざわざそこの箇所を毛羽立たせたのかな」と思える程、リアルでした。

スカイプ中の、姿見の活用方法にも、演出の意図が見て取れました。

もう一人の主役、メイコ役の女優さんの演技は、肩の力が抜けていて好きです。
一見、芝居業から離れてカフェで働く日々にやる気をなくしているように見えて、実は決して辞めた訳ではなく、目の力は失っていないところも良いと感じました。

作品全体に漂う浮遊感、空気感が心地良く、好きなテイストの作品でした。


ただ、、、
ルイ役のロングヘアーの女優さんが、演出上敢えてなのか何なのか分からないのですが、相当な棒読みだったのが、途中まではとても気になってしまいました、、が、この作品の空気感には合っていて、むしろバランスが良いのかもしれない、と、途中からは不思議と納得がいきました。(ど素人がエラそうにスミマセン‼︎)

全くの余談ですが、ルイ役の女優さんは、私が何度も劇場に足を運んで観た「誰かの花」にも出演されていたと後から知って、驚きました。
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