ヒメアノ〜ルのテンションで観に行ったが、この監督の今までの作品と本作のタイトルがフリになっていて良い意味で裏切られた。
恥ずかしながら感性は田母神さんよりだが、Youtuberという職業の良し悪しをうまくかいつまんでいて、批判的でありながら理解も示しておりバランスが取れていたと思う。
Youtubeのコンテンツが刹那的で後に残るものではないが、今この瞬間に人々を楽しませているという性質はテレビ番組と似ているところが大いにあることを再確認した。
ムロツヨシの表情の機微が凄くて、優しい!神さま!と言われながらも笑顔の端々で苛立ちが感じられたり、人間描写が序盤から一貫されていて説得力があった。
登場人物のキャラクターは全体的にデフォルメされている感じはあったが、若葉竜也をはじめとした脇役陣も良い味を出していた。
「善意を返せ」という台詞は心に残ったし、「見返り」とは何なのか、誰にでも当てはまる私事の物語だった。
2022 No.34