じいちゃんがガンマイクで環境音を収集するというあらすじだけ見て鑑賞決断。
センスフルなニヤッと笑えるようなシュールなカットがちらばめられており、ほとんど展開のないのほほんとした映画だが最後まで飽きずに観られた。
家族の在り方がテーマのひとつになっているだけあって食事のシーンが多く、嫌われがちな咀嚼音なども積極的に使っていたのは良かった。
環境音を収集して『音の墓場』に埋めるという側から見るとヤバいじいちゃんだが、ちゃんとそこにも物語があって感動した。
主演のxiangyuちゃんは、当て書きかもしれないが今どきな良いキャラクターを出していた。
画はバケツの底からの魚越しの人物カットが印象的だった。
音がこれだけフィーチャーされている映画の割には録音の質が低くて残念だった。
じいちゃんの一番好きな音の話をするときに、カセットから流れた遊園地の音が心象音としてイメージが膨らんでいくシーンは、カセットで録音したモノラルの音を上げるのではなくて、徐々にステレオにして音質も上げて想像の中での音として表現して欲しかった。
2022 No.38