若者を中心に感動と共感の声がSNSで爆発的に拡散され、中国本土で2週連続興収1位となったヒューマンドラマ。中国全土を巻き込む社会現象となった作品。
「妻の愛、娘の時」のヨウ・シャオインの脚本。監督は、長編2作目のイン・ルオシン。二人は1986年生まれの女性であり、演劇科の同級生。女性のまなざしで、揺れ動くいまの中国社会の背景にある家父長制と一人っ子政策の影に真正面から切り込んだ作品。
主演は、岩井俊二監督「チィファの手紙」の新世代スター、チャン・ツィフォン。この作品で国内の女優賞を数々受賞。弟役のダレン・キムは、映画初出演にして名演技。
夢を追う女性が突然現れた弟によって人生の選択を迫られる。自分の人生か、姉として生きるかー迷いながら生きる’’今’’を鋭く描いた傑作。
物語は、家父長制や一人っ子政策の影響がいまだに強い中国で、アン・ランは両親にとって望まぬ娘として生まれた。早くに親元を離れ看護師として働くアンは、医者になるために大学院への進学を目指していた。ある日長い間疎遠だった両親が突然交通事故で亡くなり、一度も会ったことがなかった6歳の弟ズーハンの養育を姉であることを理由に親戚から押し付けられる。アンは自分の夢を追うために弟を養子に出すと宣言し、養子先が見つかるまでの間、仕方なく面倒を見ることにしたのだったが、、葛藤しながら彼女が踏み出した未来への第一歩とは？
現在のコロナゼロ対策に発した中国国内の激しい反政府デモを裏付けるかのような、中国の若者たちの苦しい現状や葛藤をまじまじと痛感させられる本作は、強く心に響いた。
チャン・ツィフォンとダレン・キムの素晴らしい演技が終始涙を誘う、感動作。
フォロワーのMasaichiさんのレビューで知り、観に行きました。素敵な映画に出会えて感謝です。
