MasaichiYaguchi

鋼の錬金術師 完結編 最後の錬成のMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

3.4
荒川弘さんの原作漫画を山田涼介さん主演で実写映画化した「鋼の錬金術師」の続編となる完結編2部作の後編は、暴食のホムンクルス・グラトニーに飲み込まれてしまったエドたちは、エドが思いついた或る方法により脱出に成功する。
そんな彼らの前に、エドとアルの父ホーエンハイムと全く同じ外見の「お父様」と呼ばれる謎の男が出現。
この「お父様」が兄弟がこれまで戦ってきたホムンクルスたちの生みの親だったことや、国家の秘密と「約束の日」、ホーエンハイムの過去など様々な謎と真実がストーリーの進展と共に解き明かされていく。
エドとアル、軍の暗部に立ち向かうマスタング、そして賢者の石を求めてやって来たシン国の皇子リンたちは、「お父様」の国家全体を揺るがす恐ろしい陰謀を阻止するべく戦いへと身を投じていく。
「痛みを伴わない教訓には意義がない 人は何かの犠牲なしに何も得る事などできないのだから」というテーマで、復讐の虚しさ、許すことや堪えることの大切さも問い掛け、重層的な物語を展開した原作の世界観を劇場映画版も踏襲し、更に漫画のコマやアニメのシーン、そして台詞も忠実に再現しようとするスタッフ&キャストの熱意が、特に本作から伝わってきた。
大団円の後に訪れる何とも言えない温もりが余韻として残ります。