ここまで「何も起こらない」「主人公が成長(もしくは変化)しない」映画も珍しい気がする。
ある夜振り下ろした拳、その対処を通じて2人の男が悲劇に巻き込まれる(と本人たちは思ってる)物語。
この他人事感というか当事者意識の欠如というか被害者意識というか。これにずーっと支配された話で、表面上はボコボコにされたり女装したり色んな変化が起こるんだけど、その内面はずっと「なんで俺がこんな目に」
2人に限らず誰も彼もそんな感じで、良いことのない人生に諦めて生きている感じが世知辛い。
死体の処理を通して連鎖していくクライムサスペンスみたいな展開をバッサリ捨てて、後半はブラックコメディに徹する潔さもすごい。
一度では全然わかんない映画な気がするけど、もう一回観るのもしんどいなぁ。