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さかなのこのnagranydeのレビュー・感想・評価

さかなのこ(2022年製作の映画)
4.1
主人公に能年玲奈が選ばれた理由がよく分かる。この人しかいないなと。
本当に男だろうが女だろうがいいよな。ミー坊はミー坊だもんな。

魚に夢中なミー坊に影響され、動き始める周りの友人たちは、またミー坊にバトンを渡す。
ミー坊のパワーは波のように伝わってまた本人のもとに戻って…ってのを繰り返すんだろうなぁ。

だが、ただこの映画は「"好き"を貫くんだー!」だけのメッセージには留まっていない。
ギョギョおじさんとか、ヤンキーとか、理髪屋のおっさんとか世間から外れた人を包括していて、正しく多様な生き物を受け入れる「海」みたいな映画だなぁと思った。

ミー坊は人と会話すると「何で?どうして?」と問いかける。皆が思う「普通」はバラバラなはずなのになぜか皆囚われている。その「普通」をよそに、ミー坊は魚へと邁進する。
カッコええよなぁと思う。

友人たちはミー坊を「変わらないなぁ」と言う。きっとそれには、小馬鹿にする一方、憧れの気持ちが入ってるんだろうなぁ。
ミー坊の話を聞く皆の顔が良い顔してるんだよね、何かね。

ミー坊はずっとずーっと魚が好きだから若いときはお魚至上主義みたいなとこもあったと思う。魚が好きではない人間もいること、魚だけじゃなくて他の食べ物も立派な役割を果たしていること。
その気付きは世間の物差しに合う人も合わない人も受け入れることに繋がっていくのかな。
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