Tsuneno

さかなのこのTsunenoのネタバレレビュー・内容・結末

さかなのこ(2022年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

のんがさかなクンを演じるのであればこうなるだろう、という映画。
素直に良いと言い切れないのは、たぶん個人的な感傷の問題。
好きなことは好き。これは良いことだ。とても良いことだ。ただ、さかなクンには成功というニュアンスが付与されてしまい、見る人によっては「好きなことを突き詰めれば、いつか成功する」というミスリードを生んでしまう。
この道は、井川遥が高校の進路面談で話していたような、無難を選ばない覚悟を持ったればこそ、はじめて選べる道ではないか。
路傍で起こっていた筈の様々な困難や不幸はあえて見せず終いと言うのも若干空々しく感じる。
最高に穿った物言いをするならば、口八丁でハイリスクな投資をさせる証券マンのセールストークのようにも感じてしまう。
 
とまあ、こんな風に捉えてしまう俺は、少し疲れているのかもしれない。ただ、なぜか気が進まなかった本作のレビューを書いてはじめて、モヤモヤする違和感の正体に気づけた。レビューは書くものだなぁ、やはり。


あ、言い忘れてた。
のんみたいな若くて「好きなものは好き」って生き方してる天真爛漫な子がいたら、柳楽優弥のように応援したくなる人がたくさんいるってのは本当な気がする。もちろん、男でも女でも。
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