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セールス・ガールの考現学/セールス・ガールのTMのレビュー・感想・評価

3.3
真面目な大学生がひょんなことからアダルトショップでバイトする話。
主人公のサロールはカティアというそのお店のオーナーで謎のオバハンに出会うわけですが、
この2人の会話劇が愉快で、モンゴルにもこんなユーモアがあるのか!と驚きの連続でした。
一昔前のファッションやアート表現も同じアジアだからこそかもですが、ノスタルジックで親近感がありました。
ところどころに出てくる広大な自然に美しさを感じつつ、モンゴルも結構都会なんだと感じられる雰囲気もあり、結構その差がすごくて、貧困の差や文化の発展スピードと内面的な成長スピードがまだマッチしていない感じも感じられるのがリアルで良かったです。

物語は内面的な自由を解放していくことがテーマに。
タイトルやあらすじにはアブノーマルな感じもしますが、しっかりと線引きしていてすごく道徳的な安心感がありました。
劇中のセリフにもありましたが、「辛いことがあって幸せを知る。」
だからと言って、なにも不幸せになる必要はないし、道を踏み外すのではなく、視野を広げて、自分の本当にしたいことを見つけるといった監督のスタイルがとても好印象でした。

ところどころ唐突な展開があり、ついついツッコミたるところもありましたが、あまり飽和状態にない地域特有の荒さが面白かったです。

そして、何より斬新なのは劇中歌を歌うアーティストにわざわざカメラワークを仕込んでまで演出していること。
なんか昔はありましたよね、シーンチェンジの時に歌が流れて、歌い手が出演しているドラマや映画。久々にこういう手法見ると面白いですね。
最後にはもつアイツ待ちになってて、僕はヒキの絵になったところで笑けてきて、カメラワークに入った瞬間爆笑してしまいました笑
ちなみに、そのアイツはMagnolian名義で活動しているドゥルグーン・バヤスガランというアーティストさんです。国内外問わず活躍されているみたいです。

あと主人公サロールの美人化ぶりにも注目です。
ヘアメイクやファッションで女性は本当にバケますね。
この映画は表現にこそ刺激的なところありますが、若い女性にはバイブル的な映画にもなるような気がします。
女優さんの名前はバヤルツェツェグ・バヤルジャルガル。
たぶん一生覚えられない。笑
でも今後の活躍に注目していきたいですね。

総じてすごくハッピーな映画でした!
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