ドキュメンタリーとしての構成が秀逸。事実でありながら、最後まで犯人がわからない。そこに被害者たちのサイトでの疑心暗鬼や素人の推測、失われたお金に対する気持ちが混じり合い、複雑怪奇な様相を呈し始める。
結果は想像を超えてシンプルなものだが、意外と真実とはそういうものだと、本作を観てしまうと、そのような思いにもなる。
濡れ手に泡。みんなが儲けているから乗り遅れないように自分も。こうした強欲も少し引いて考えればいたってシンプルな欲望だ。
傍目には彼らの損失は自業自得にも見える。ただ実際にその欲望の渦中にいったん身を任せてしまってからでは抑制するのは誰にも困難なことだろう。その意味では身の丈に合った欲望で暮らすのが庶民にはいちばんなのか。とほほ。