トッシー

線は、僕を描くのトッシーのレビュー・感想・評価

線は、僕を描く(2022年製作の映画)
3.9
水墨画の世界をテーマに
若者たちの
葛藤と再生を描いた
青春ストーリー!!!



予告編を観た時、
水墨画がテーマ
…って言うので
とても興味を持ちました。

水墨画って恥ずかしながら
「雪舟」くらいしか
すぐには思い浮かばないけど

墨の一色だけで
全てを表現する
あの悠久の白と黒の
世界観の中には

とんでもなく奥深い
哲学や技術や
何かしら
奥義的なあれこれが

込められているに
違いないと…

そして、その一端にでも
この映画の中で触れることが
できるのではないか?…と

そんな期待を
持ったんですよ。

ただ、奥深すぎて
映画がマニアックに
なりすぎていたら
どうしよう…

全然意味が
理解できなかったら
どうしよう…

そんな不安もありました。

まあ、でも
それはそれで
一興ですやんか。

意味の分からん映画、
結構、好きやしね。

よっしゃ!いったれ!
…って事で観てきましたよ。




……まあ、
水墨画の悠久の世界
…と言うよりは
それに関わる人々の
人間ドラマがメインやね。

後悔とか不安とか
自己嫌悪とか
苛立ちとか再生とか

誰でも理解できて
感情移入できる
いつものあれこれが
丁寧に描かれるので
マニアックさは皆無でした。

原作は読んでないので
原作がどうなのかは
分かりませんが

面白いけど
正直、これ、
水墨画でやらんくても
良かったんじゃねえの?

…とか思ってしまった。

水墨画の要素、あんまり
必要なかったんちゃうかな?

観た直後は
そんなふうに思ったんですよ。



でも、ちょっと考えて
やっぱり違うな。
…と考え直しました。

水墨画の世界でやったからこそ
割りとありがちな青春物語が

とってもフレッシュに
輝いていたのは
やっぱり事実。

だって、水墨画を扱った
映画もドラマも
僕は他で、観たことないもの。

俳優陣も主演の横浜流星をはじめ、
全員、素晴らしかったけど
(特に清原果耶の凛とした美しさは
とっても良かったです!)

特に江口洋介と三浦友和が
別人に見えたんよね。

今までにない演技を
してるわけでもないんだけども、
とっても新しく
違う洋介 & 友和に見えた。

これは確実に
水墨画効果よ!!!

水墨画と並んで描かれる事で
水墨画と並んで演技することで
悠久の世界のほんの1部でも
それらみんなに
宿ったのかもしれんね。

だからやっぱり
水墨画で物語作りして
正解だったんですな!

今までなかった
ジャンルと言えども
「点描」とかだったら
さすがにちょっとマニアックに
なってたやろからな!

(でも、観てみたい
「点描」がテーマの映画。
それはそれで
絶対に面白いと思うでえ!)


結果として
とってもフレッシュで瑞々しい
素敵な青春映画だったと思います!

青春真っ盛りとか
青春を取り返したい!
…と思っている人にお勧めです!

2022-40
トッシー

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