kojikoji

線は、僕を描くのkojikojiのレビュー・感想・評価

線は、僕を描く(2022年製作の映画)
3.8
No.1623 監督は小泉徳宏。「ちはやふる」の監督さん。
前情報なし、題名が気になっていたので鑑賞したら、なかなか良かった。  
横浜流星が主人公を演じていることもエンディングでわかった始末。見た顔だと思っていたら、そうか「春に散る」の主人公だった。名前の印象がどうもチャラチャラしているようで(ファンの方すみません🙇)、そんな印象を持っていたが、今度はしっかり思えたので、もう大丈夫。いい俳優です。
「パレード」は明日観る予定。 
それにしてもこの作品、思いの外、掘り出し物の作品だった。「百花」では乾き切っていた涙が、この映画ではボロボロ(いや、ポロポロかな😅)だった。

 両親を失い孤独と喪失の真っ只中だった青山霜介(横浜流星)は、友人から頼まれて、展示会搬入の手伝いに参加し、そこで椿の水墨画に釘付けになる。
 その絵は、有名な水墨画の画家篠田湖山(三浦友和)の孫娘千瑛(清原 果耶)の絵だった。
 霜介は搬入完了後弁当を食べに行った控室で老人と知り合いになるが、実はそれが篠田湖山であり、これが霜介を立ち直らせるきっかけとなる。

 映画の中で、湖山や千瑛が描く水墨画が素晴らしい。観客が目を見張るシーンは私も一緒になって「ほーっ」と感嘆してしまう。題名に線が出てくるだけあって、水墨画の線が美しい。
残念なのは、霜介の夢に出てくる椿の木(この椿がびっくりするぐらい美しい)を絵にしてくれなかったこと。あの椿の木が絵になるとどんなに素敵だったろう。

デビューの「伊豆の踊り子」から見てきた三浦友和がこんな役が出来る様になったかと思うと感慨深い。
kojikoji

kojikoji