湿地の景色が美しく、ミステリアスな法廷劇でした。が、演出やキャラクター設定に違和感あり、入り込めませんでした。途中でオチが見えてしまったこともあり…
ルノワールの「スワンプ・ウォーター」のような沼地の怪しさは全くなく、人間の尺度で自然の掟や生物を測らないことを描こうとしているにもかかわらず、画がすべて綺麗過ぎました。また、言葉による説明が多すぎました。
原作未読ですが、文学的な深みが伝わってきませんでした。小説はきっとおもしろいんだろうなあと思います。主人公をもっとワイルドにしたり、恋人たちも粗っぽくしたりして、もっと土や湿地の匂い等、五感に訴えるような見せ方をして欲しかったです。美しい視覚だけで、物足りなく、リアリティーを感じられませんでした。