このレビューはネタバレを含みます
殺し屋とエージェントというありえないキャラクターなのに、描かれているのは、なんだか私たちの現実にも漂ってそうな人間臭さ。
すれ違い、狭い部屋にこもった欲望、刹那の感情、男女関係で引き立つ薄情さ…
登場人物全員トチ狂ってる(いい意味で)のに、人間臭さがたしかに確実に転がっていて、物語の意味はわからんのに「わかる」状態。
あとエージェントが美しすぎる。
登場シーンからびんびんなオーラ、きゅっと整った鼻筋、目にかかるうざったい前髪、節制の中にちら見えしまくる色気…
画面に出てくるたびにクラクラしてしまった。美女を美女として写そうとしない画に、逆説的に溢れん美が出てきてしまうってすごいな。
男が女に殺されるっていうのは、なんだかゴダール作品を彷彿とさせるな。
熱が出たあと、みたいな感覚。