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母へ捧げる僕たちのアリアのkassyのレビュー・感想・評価

母へ捧げる僕たちのアリア(2021年製作の映画)
3.4
試写会にて。

舞台は夏はバカンスで賑わうフランスの港町。
4兄弟で昏睡状態の母を自宅介護し、末っ子のヌールも中学生ながら働かされている。

ヌールのささやかな楽しみは、母が好きだったオペラを聴かせてあげることだった。

ある時サマースクールの歌の教室に飛び入り参加するようになり、歌う楽しさに目覚めていく。

ヌールがだんだんと歌が上達し楽しむのだが、家庭環境がそれを良しとしないのがせつない。

貧民街のような団地で暮らし、みんなクズな仕事しかしてない兄弟に叔父は言う
「外に出る勇気を持て」

兄弟達は喧嘩しながらも互いに助け合い、生活していっているが、出て行っても出自はついて回るぞ、と半ば諦めているようである。

そんな中でヌールはここを旅立ちたいという気持ちを抱いている。
兄弟のトラブルやイザコザに巻き込まれて思うように行かないが、先生に導かれて外の世界に飛び立つ勇気をもらえたのだと思う。

カタルシスはあまりない映画だが、ヌールの成長を見守りたい映画である。
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