はる

長ぐつをはいたネコと9つの命のはるのレビュー・感想・評価

4.5
『ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り』に並ぶ今年のちょうどいい映画の決定版。

『シュレック』シリーズでもお馴染みのキャラクター長靴をはいた猫プスの最新作である本作は願い事が叶うと言われる魔法の地図を巡るアクションファンタジー。100分の上映時間に無駄な時間が一切無く、最初から最後まで驚くほどテンポ良く展開していきます。

まず特筆すべきは『スパイダーマン:スパイダーバース』以降のアニメーション表現とも言えるアクションシーンの作画の素晴らしさ。冒頭で繰り広げられるプスと巨人の戦闘シーンは控えめに言っても度肝を抜かれました。アニメーション表現という点においてピクサーやイルミネーションに対してドリームワークスが一歩リードした印象すらあるアクションの面白さは何度も繰り返し観たくなる魅力に溢れています。

キャラクターの見せ方が上手く、それぞれのバックボーンをストーリーを止めないようにサクサク紹介していきます。いくらでも湿っぽくできる設定のキャラクターがいる中で常にカラッとした空気感も『ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り』に似ている部分で良かったと思います。非常にシンプルなストーリーの上でアクションやギャグを矢継ぎ早に放り込む手数の多さ、そしてそれが一つも外さない。子供向けアニメーションと言って舐めていると吹っ飛ばされるほど洗練されていると思います。今年は『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』や『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』が大きく話題を掻っ攫いましたが、本作も全く引けを取らない傑作で間違いありません!!
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