回想シーンでご飯3杯いける

赤い糸 輪廻のひみつ/月老 また会う日までの回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

4.8
2023年最後に観た「ミス・シャンプー」に続いて、2024年最初も台湾のギデンス・コー監督による最新作。元々は小説家だった彼が、監督としてデビューした「あの頃、君を追いかけた」から数えて10年。今作も既に台湾でNo.1ヒットになっている他、複数の映画賞も獲得。物凄い熱量を持つ作風でますます目が離せなくなってきた。

今回はなんと霊界コメディ。中国語圏では定番のジャンルなのだが、そこに彼らしい純愛ラブストーリーを絡めて、ホラーやバイオレンス、更には犬も大活躍。色んな要素が入っていて、一歩間違えれば色物になりそうなのに、ギデンス・コーの手にかかると、その「やりすぎ」感が個性となってしまう。何故こんな馬鹿みたいな展開で涙が出てくるのだろう?というギデンス・コーあるあるが、今作では何度も体験できる。

主演は「あの頃、君を追いかけた」のクー・チェンドン。彼と霊界で縁結びの神様のパートナーとなる少女を演じるのは「返校 言葉が消えた日」や「僕と幽霊が家族になった件」にも出演していたワン・ジン。そして「ミス・シャンプー」のヒロインだったビビアン・ソンが、今回も最高にキュートな演技を見せてくれる。

5点満点を付けても良いんだけど、小説家としてのキャリアを併せ持つギデンス・コーにはまだまだ伸びしろがあると思うので、敢えて少しだけスコアを下げておく。