回想シーンでご飯3杯いける

ディナー・イン・アメリカの回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

ディナー・イン・アメリカ(2020年製作の映画)
3.7
つい先日、アンハサウェイ主演のバツイチ女性が、ボーイズグループのイケメンと恋に落ちる映画「アイデア・オブ・ユー」を観て、「夢物語だけどアンハサウェイが可愛いから成立する」という感想が多く見られたことも含めて、何だかちょっとイライラしてしまった僕。

恋愛に資格なんていらないし、ルックスも関係ないはず。推す側も推される側も、自分なりの熱量があればそれで十分じゃないのか?

というわけで、ファンとミュージシャンの恋を描く本作は、奇しくも「アイデア・オブ・ユー」と共通するプロットを持ちながら、オタク系女子と覆面パンクロッカーという異色の組み合わせによって、テイストは正反対。僕は断然こっちを支持するぞ。

冒頭は謎の男として登場するサイモンは、はっきり言って嫌いなタイプなのだが、ファンであるパティと共同生活を始める事になり、包み隠さない純粋さがどんどん魅力的に見えてくる。

「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」にも通じるパンクと純愛の物語と言うと、さすがに褒め過ぎだが、音楽面も優れていて侮れない作品だ。