回想シーンでご飯3杯いける

52Hzのラヴソングの回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

52Hzのラヴソング(2017年製作の映画)
3.0
「ラ・ラ・ランド」ばりのカラフルな世界観を楽しめる台湾のミュージカル映画。

バレンタイン・デーの台北を舞台に、花屋を経営する女性、パン屋でスイーツを作る男性、市役所の職員で合同結婚式のスタッフを務める女性など、バレンタインの華やかさを、裏方として支える人達の姿を中心にして描いている。

街並みや登場人物のファッションはカラフルで「ラ・ラ・ランド」っぽいけど、音楽はいかにもアジアらしいメロディー主体のアレンジ。従ってダンスシーンはさほど多くない。このさじ加減は日本人には取っつきやすいかも。

しかし、合同結婚式のシーンがどうしても統一教会のアレを連想させるし(実際は無関係っぽいのだが)、登場人物がやたらと「ハッピー・バレンタイン!」と連呼するので、どうしても宗教団体のイメージ・ビデオっぽく見えてしまう。

映画というより、どこかイメージ・ビデオっぽい作りの理由はエンドロールで明らかになる。本作はパン屋で働く青年を演じているのが宇宙人(バンド)のメンバーであるのを筆頭に、台湾で活躍するミュージシャンが多数出演する、ある種のお祭り映画として企画されたようなのだ。ドラマ性より明るさとノリで引っ張っていくスタイルは、演技のプロが少ないキャスティング故なのだろう。

登場人物を見ただけで、それが誰なのか分かる台湾人とってはかなり楽しい映画だと思う。