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シネマ組踊「孝行の巻」のKUBOのレビュー・感想・評価

シネマ組踊「孝行の巻」(2022年製作の映画)
5.0
素晴らしかった。見れてよかった。

今日はシネマ組踊『孝行の巻』を鑑賞。

沖縄には(ほとんど宮古島ばかりではあるが)40年以上通い続けているものの、組踊はこれが初めての鑑賞。だから完全に素人の感想です。

シネマ歌舞伎はいくつか見ているが、本作は沖縄の伝統文化である「組踊」をフィルムに収めた「シネマ組踊」。

冒頭に初心者のために組踊の丁寧な説明があるのがいい。これがあるのとないのとだと大違いだ。

まず、出演者の方々がみんな美しい! 歌舞伎だとアップに耐えない人もいるんだけど(歌舞伎の人ごめんなさい😅)、組踊は本当にみんな美男子。

女性の役の方も、男性であっても女装してる方も(かつて沖縄では無病息災のために元服前の男子に女装をさせていた)、みな中性的な魅力があって、『テンペスト』で清の冊封使を手玉に取ったという意味もよくわかった。

8-8-8-6(実際には8-8-8-8に聞こえたが)のリズムで続く独特の台詞回しは、確かに上手く韻を踏んでたり、掛け合いのところはラップを聴いてるようだった。

「生きていても役に立たない女の私だから…」とか、台詞は時代を感じさせるけど、そこは儒教思想に基づく当時の「孝行」。玉城朝薫が残した傑作をこうして映画という形で残していくことは素晴らしい文化活動だ。

いつか沖縄の国立劇場で生で組踊を見たいなぁ。とりあえず今日は東京1週間限定上映の最終日に滑り込んで鑑賞できて本当によかった。
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