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フランケンシュタイン対地底怪獣(バラゴン)のKUBOのレビュー・感想・評価

4.0
1945年第二次大戦末期、陥落寸前のドイツから始まる。

ドイツから日本へ密かに潜水艦で運ばれてくる荷物を受け取る日本兵が、その中身を「まさかヒトラー?」と推測する件はおもしろい。

それが運ばれてくるのが「広島」。箱の中身は「フランケンシュタインの心臓」。絶対に死なない兵士を作るために運ばれてきたのだ。志村喬も出てるし、この頃の特撮映画は子供向けの映画ではなく、東宝がまじめに作ってるな〜。

今は「原爆ドーム」となっている「広島県物産陳列館」が特撮で再現されているのにこだわりを感じる。そして広島の街に原爆は落とされ、「フランケンシュタインの心臓」も灰になったかと思われたが…

野獣は美女(水野久美)には何もしない、ってのは「キングコング」からの決まりごと。

檻の中で中途半端に大きくなったフランケンシュタインはダークなアリスのよう。怪獣サイズになる前のこのくらいのサイズの時が一番不気味かもしれない。元祖「進撃の巨人」かも? このサイズで団地内を闊歩する時の、やはり中途半端なサイズの団地のミニチュアは貴重だろうな〜。

後半、急にバラゴンが出てきて、前半の怪奇映画風味わいは損なわれ、怪獣プロレスとなるが、その珍妙なバランスも伝説の映画を伝説たらしめる所以かもしれない。

ラストの山火事をバックにしたシーンもあまり特撮映画で見ない絵なのでうれしい。

「死んだのでしょうか?」
「いや、彼は永久の生命を持っている。いつかはどこかに出てくると思う」

ということで「サンダ対ガイラ」に続く。




これ、今の技術でデルトロがリメイクしてくれたら、すごいものになりそうなんだけどな〜(^^)


(バラゴンって、◯◯ゴンっていう怪獣の名前の元祖じゃないかな?)
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