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13人の命のnahoのレビュー・感想・評価

13人の命(2022年製作の映画)
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淡々と、でも誇りを持ち、自らの力を受け入れ信じるのみ。

これは「何映画なのか?」とfilmarksの分類をつい確認。確かに『ドラマ』だし、『伝記』だし、ある種『スリラー』かもしれないけど、…凄い映画だわ。
派手な劇伴はなく、ドキュメンタリーのように粛々と進んでいくストーリー。でも、時々挟まれる「時間経過」「所要時間」「距離の長さ」の表示、「祈り」「タイ語」「雨、雷鳴や濁流」「世界中からの注目の視線」「いつの時代も現場と行政の狭間」などが、ヒリヒリ、ジリジリ、チクリと静かに現実を見せてくる感じが、とにかく圧巻。日曜9時のドラマにありがちな文言は一切ないのに、飽きない。胸に響く。良い意味で、異質でちょっと気味が悪いとさえ思ってしまう映画だった。
この切り口なのかと驚きもありつつ、見る前の印象とは全く違ったけどすごく見てよかったと思う。個人的に、今年の洋画ベスト級かもな。

エンドロール最後にある何カ国もの他言語吹き替えキャスト名。各国の協力者や、当時多くの方が見守ったであろうニュースに思いを馳せます。いつもは飛ばすけど…映画と史実がちょっとリンクして、妙に沁みました。
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