jonajona

哭悲/The Sadnessのjonajonaのネタバレレビュー・内容・結末

哭悲/The Sadness(2021年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

エグすぎて久々に映画館でほんとに怖くなった。絶望感強すぎて、今一緒に見てる人とかに、いきなり襲われたらどうしよう…みたいな人間不信な気持ちになってくる。そんな体験は初めてだった。
ホラーとしては正しすぎるほど正しい。公開からそれなりに日が経ってるのにほぼ満席でしかもカップルとかもいて…色々驚いた。笑

とにかくえぐいのでみるなら覚悟が…
序盤から中盤にかけての決壊するようなジェットコースター展開の作り方が丁寧で異常に上手くて、怖すぎて笑えるところまで突き抜けていくのが最高でした。
テレビとアナウンスの下りめっちゃ好き
主演の女優さんめっちゃ綺麗。

急に誰か気が触れて襲ってきたらどうしよう?小さい頃はよくそう言う妄想をしてたが、今は世界情勢とか日本でも悲惨な事ばかり起こるのでそんな強迫観念が自分だけじゃなくこの映画を作る人、見る人、みんなの中にあるんじゃないかな…
そんでもしかしたら、この映画を見て『ああ素敵、俺も私もああしたい』って思う人なんていない…と言い切れない、なーんて気持ちになってる!こわい!

あの…ハゲジジイがさ、怖すぎて…
あれはないわ、えげつなさすぎ。

最後まで救いがなさすぎるが、台湾ホラーだと思うと深い怒りみたいなのが伝わってくる。ちょっと悲しすぎる。

意識を普通に持ったまま『怒りや性暴力衝動』だけが増強されて『ニコニコ愉しんで殺す』暴徒と化す…というのはありそうで無かった。タガが外れて理性は残ってるから想像力が生み出す悪い予想を現実化してしまうってことだよな。凄い。偉い。ゾンビ映画としてかなり画期的でした。近いものを挙げるならイーライロスの『アフターショック』だ。これが新スタンダードになってもおかしくない…という気までする。物言わぬ死者から発狂する生者へ。
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