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Leila's Brothers(原題)
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『Leila's Brothers(原題)』に投稿された感想・評価

Omizu
2.9
【第75回カンヌ映画祭 国際映画批評家連盟賞】
『ジャスト6.5』で世界的に注目を集めたサイード・ルスタイ監督作品。カンヌ映画祭コンペに出品され、国際映画批評家連盟賞を受賞した。

なんか画面が貧相だな。『ジャスト6.5』も別にスゴいとも思わなかったが、本作もただ長いだけで結構退屈してしまった。

イラン映画にありがちな会話の応酬、父権社会の息苦しさ、どれも既視感しかない。ルスタイ監督のダイナミックな演出スタイルはいいと思うが、本作は少し小さく収まってしまった感じがあって勿体ないと感じた。

話としてはそんなに難しいものではないし、むしろかなりミニマルな話なのだが、ここまで尺をとって語るほどのことだろうか。スピーディな展開力はとてもいいが、美術がやけにミニマルで画面として貧相に感じた。撮影の問題なのかは分からないが、この話ならもっと美術を凝るべきのように感じてしまった。

本作はけっこう問題が起こってしまった作品で、一つは性加害問題。一部のキャストがセクハラで訴えられたこと。もう一つはカンヌ映画祭でイラン政府を批判するコメントをしたことで監督たちが罪に問われたということ。イランという国の生きづらさを描いた本作、奇しくもそれを体現する問題を抱えてしまった。未だにイラン国内では公開されていないらしい。

それはさておき、会話の応酬でダイナミックに繋いでいくのはいいが、そんなにサプライズがない上に長く、撮影での見どころも特にないのでイマイチハマらず。ルスタイ監督はちょっと合わないかもしれない…
[イラン、家父長制の呪いとサフディ的犯罪ドラマ] 80点

2022年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。サイード・ルスタイ長編三作目。レイラは40歳になったが、未だに両親と4人の兄弟の世話をしている。氏族の家長が亡くなって後継者争いが熾烈化する中で老父エスメイルは次期家長を目指しているが、それには後継指名者ベイラムの息子の結婚式で大量の金貨をプレゼントする必要があり、金欠一家にはちと厳しい。一人目の息子パルビズは娘たちを養うためにデパートのトイレ掃除をしながら、勝手に客から使用料を取っている。二人目のファルハドは車以外の財産のない脳筋で、三人目のマヌシェルは借金まみれでマルチ商法に手を染めている。一家の稼ぎ頭だった真面目なアリレザも、工場閉鎖によって職を失い、暴動にビビって未払金獲得も諦めて逃げ帰ってきた。そこで、レイラは一番真面目なアリレザを誘って、兄弟でデパートに店を開こうと提案する。親戚によるエスメイルやその家族への仕打ちは相当なものだったようで、作中でも重要な儀式として中心に置かれている"結婚式"についての幾つかのエピソードによって、イラン式"村八分"のエゲツなさ、それによって見えてくる"家父長"のパワーと、それを羨望するエスメイルの頑迷さが鮮明になる。それは一家を苦しめる続ける呪いでも、エスメイルを縛り付ける呪いでもあり、家族は二つの呪いに対処する必要に迫られる。

物語は鈍重なサフディ兄弟のような絶妙な疾走感と失速感を伴って展開していく。ここで話の中心にいるのはレイラであり、家族を世話し、家族を動かし、家族全員が幸せになることを目標に動いているのだが、彼女が女性であるからという理由で物語から締め出されることも多いのが興味深い。マヌシェルの持ちかける詐欺の話は女性だからオフィスに入れない、ベイラム息子の結婚式では男女で会場が分けられている、店を買う契約書にサインできない、等々。恐らくレイラが男だったら、自分で動いているだろう部分で、愚鈍な兄たちを動かさざるを得ない状況が生まれている。それによって、追い詰められた家族はだいたいのことをレイラのせいにするというクズムーヴをかまし、"女らしくない"と両親からも蔑まれている。結婚できなかったのも彼女を"夢の家父長"のための駒として扱いたかったエスメイルの勝手だったのに、結局バカなので何も出来ずに家政婦扱い。つまり、彼女はどん底一家のどん底にいる。そんな彼女とアリレザとの会話が非常に興味深い。自分の意思で自由に活動できるという男性側の視点に立ちながら、自分から動くのを怖がるアリレザに対して、動きたくても様々な制約によって動けないレイラという対比がここで明確になるが、確かに二人の行動は一貫している。だからこそ、残りの三人兄の数合わせ感が勿体ない。もっと尺があったらファルハドも暴れてただろう。

先述のアリレザとレイラの会話の中で、『おしん』に触れられることがあった。イランでは1986年から国営テレビで放映され、イラン・イラク戦争で苦境にあったイラン人の共感を呼び、最高視聴率は90%を超えることもあったとか。レイラは"『おしん』がなかったら惨めな生活を乗り越えられた"とまで言っている。店を持つというのは『おしん』の再演という意味もあるのか(観てないのでよく分からず)。しかし、現代において彼らを繋ぎ止めるものは存在しない。それぞれの私利私欲によってバラバラになって窒息するしかないのだ。
2.0
【ワイらの生活、詰んでるワイ】
東京国際映画祭は色々問題抱えており、釜山国際映画祭と比較してしまうと弱い印象を受ける。しかし、未来の注目監督を発掘できていないわけではない。例えば、『アンカット・ダイヤモンド』サフディ兄弟や『逆転のトライアングル』リューベン・オストルンドを初期作品の段階からチェックしている。さて、2022年のカンヌ国際映画祭にサプライズとして入った作品がまさしく東京国際映画祭が見出した逸材サイード・ルスタイによるものだった。彼は、『ジャスト6.5 闘いの証』で東京国際映画祭コンペティション部門で、最優秀監督賞と最優秀男優賞(ナビド・モハマドザデー)を受賞している。国際映画祭に出品されるイラン映画は、アスガー・ファルハディ系の重いドラマが乱立してしまいマンネリ化を引き起こしていた。その中に現れたサイード・ルスタイは東映ヤクザ映画のような暑苦しさと、観る者を惹き込むアクションを提示し、新風を吹かせた。新作『LEILA'S BROTHERS』も似たような演出が確認でき、イラン映画界を新しい次元へ導く存在だと感じた。個人的には苦手な監督であるが、注目したいところである。それでは感想を書いていく。

「仕事は終わりだ!撤収!撤収!」

工場長と思しき人物が作業を強制終了して回る。騒音響く現場なので、伝達までに時間がかかるが、ドンドンと機械が止まっていく。すると、暴動のようなものが発生し、あたり一面戦場と化す。右も左も分からぬまま、工場の人々は波を形成し、飲み込まれていく。このオープニングが強烈だ。前作では、逃走劇の末に穴に落ちるアクションが見ものだったが、本作でもファーストインプレッションに力が入っている。

映画は結婚式を中心に金策の物語へと発展していく。デパートのトイレ清掃しながらコソコソ銭を稼ぐ者、マルチ商法に手を染めているようだ。まるで2chの書き込みスレッドのような、人生詰んでいるような小話が複雑に絡み合っていく。冒頭こそ良かったものの、後は160分近く顔のアップを切り返す停滞した対話が続き、竜頭蛇尾な映画に思えてくる。確かに、パーティ場面のリッチな高低差を活かした視線の交わりと、貧相な画の対比によって閉塞感ものを紡ぐ演出は理解できる。しかし、それにしても退屈な画が多いと辛いものがある。それだったら、『ジャスト6.5 闘いの証』のように荒々しい戦い路線で描いても良かったんじゃないかなと感じずにはいられない作品であった。