安堵霊タラコフスキー

EO イーオーの安堵霊タラコフスキーのレビュー・感想・評価

EO イーオー(2022年製作の映画)
4.8
ロバを始めとした動物に対する人カスのエゴを、サイレント映画を思わせる実験的映像を駆使しながら描写した意欲作。

バルタザールどこへ行くをモチーフとしながら、ロバのEO君を巻き込む人間の愚かさが現代的になっており(愛護行為もエゴとして描かれる点が好印象)良い具合に差別化されている。

ロバや馬らが魅力的に映されている一方で人間に魅力をまるで感じなかったので人間ドラマ主体の場面では萎えるレベルですらあったのが玉に瑕だが、そこにも人カスの人カスたる所以がよく出ていたとも言えるので良しとしたい。

最後があまりに呆気なかったのも拍子抜けだったが、それで無常感を表していたというのなら効果的だったか。