サマータイムブルース

EO イーオーのサマータイムブルースのレビュー・感想・評価

EO イーオー(2022年製作の映画)
3.5
「早春/DEEP END」のイエジー・スコリモフスキ監督作品

人間がかわいそうな物語より、動物がかわいそうな目に合う物語の方が見ていて辛くなります
特にそれが人間のせいだったりすると尚更です

ロバのEOはサーカス団でカサンドラとコンビを組んで芸をして暮らしていました
2人は強い絆で結ばれています
ところが動物愛護団体の抗議を受けてサーカス団は解散、EOは施設に保護され、離ればなれになってしまいます

ある施設で、男の乗るバイクに伴って、EOの誕生日にカサンドラが訪れて祝ってくれます
EOにとっての束の間の幸せ
でもカサンドラは再会を満喫した後、男のバイクに跨って去って行くのでした
EOはカサンドラのことが忘れられずに施設から脱走して彼女をを追いかける旅に出ます

道中、時々EOがカサンドラを思い出す回想シーンに胸が締め付けられます
でもカサンドラだって結局は何も出来ずにEOを置き去りにしたんだよな

EOの目を通して人間の愚かさや残酷さが描かれます
ストーリーらしいストーリーはなく、セリフもほとんどありません
まるでドキュメンタリーを見ているかのよう
EOが擬人化して「よー、カサンドラ、久しぶり!!元気だった!?」と話しかけることもありません
人間に対して常に受け身であり、無抵抗です

豊かなポーランドの自然や動物たちに癒されます
EOが幸せになることだけを祈って見ていました
終盤、イザベル・ユペール嬢が登場したのはびっくりしました

動物にとって何が幸せなのか、動物愛護とは何なのかを考えさせられる映画でした

☆さりちゃん、さすらい農場さんのレビューを参考に鑑賞しました☆