刑事の男と容疑者の女とのラブサスペンス。
しかも疑惑と愛情を行ったり来たりするなんてベタ過ぎて刺激がなさそうだけど、味付けが独特で最後まで引きつけられた。
物語上のサスペンス的な要素は塩コショウみたいに味わいに輪郭を与えていているだけで、本当は隠し味的に散りばめられたカメラワークや演出の「？」な味わい。この「？」は訳がわからないってならないギリギリの程度に調整されているので、映画が進むにつれてユルい刺激が残ってゆく。
結局何がおもしろいか分からないまま引きつけられて、最後に観るのは愛と自意識の狭間で大きく揺れるなんだか荘厳で美しい「？」。
