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逆転のトライアングルのせっのレビュー・感想・評価

逆転のトライアングル(2022年製作の映画)
4.3

豪華客船に乗った超金持ちと乗組員と若い2人のモデルが、ある事故によって島に漂着し、そこで漁も火起こしも料理もできる掃除のおばちゃんがヒエラルキーの頂点に立つ話。

島に漂着してからが面白いのかと思ってたけど、実はこの映画で1番面白いのは見てるこっちもオエッてなりそうな大嵐の船上ディナー。お金持ちが好き放題してる前半から島でヒエラルキーが逆転する後半を上手く繋ぐように、全てのヒエラルキーがシャッフルされてる感じ。

船酔いと乗組員を海に飛び込ませたせいでおそらく若干傷んだ海鮮料理のせいでゲロと糞まみれになる富裕層に対して、普段から慣れてる乗組員が嫌味なほど冷静で笑う。絵面は老人虐待でしかないけど、申し訳ないけどめちゃくちゃスカッとしたし笑っちゃった。

このヒエラルキーのミックスが起こる中、船酔いにもならない一応主人公っぽい2人の若者は島についても船の時と同じような立ち位置。何だかんだごちゃごちゃ言いながら1番可愛いのは自分で、1人で上に上る力もないから人を上手く操ろうとする。自分は全然下心なんてありませんよ〜って顔して。

島に着いてからって案外金持ちのジジイ達は不幸そうじゃないのよね。何だかんだ一応は自分の力で富を得た人達だから、その気になれば狩りをしてたように自分で生き抜けるという余裕かなとも思った。そして、島についても人から与えられる立場の乗組員も結局はヒエラルキー全く変わってなくて、結局自分で富を得る力があるかないかってことなのかと思った。
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