このレビューはネタバレを含みます
最後まで見ると面白かったです。
セレブたちが乗ったクルーズ船。そこに乗るのは華やかなセレブだけでなく、彼らを持てなすクルーたちや更に裏方の作業に準ずる作業員たち。彼らは各々の立場で船に乗っているが話していること、生活、それらはすべて「別世界」のことだった。
そんなある日、彼らの乗る船が海賊に襲われ無人島に漂流する。そこではセレブなことは関係なくどれだけ役に立つかが重要だった。
あらすじだけ見ると無人島がメインに見えるけど、むしろ前半でたっぷりと船の上の生活を映して、そのあとから無人島での「逆転」を見せていた。ただ、船の上の生活やそれに至るまでのカップルのやり取りなどが少々疲れてしまった。
兵器会社の感じのいい老夫婦が海賊が投げた手りゅう弾を見て「うちの商品じゃない…？」と上品にぼんやりしていたのが印象的。今まさに自分たちを殺す道具であっても彼らにとっては遠い世界なのだと感じた。
最後に至るシーン。清掃係がキャプテンになった無人島での世界が一基のエレベーターによってまた「逆転」しそうになる。けれど、その少し前のシーンで「ロバ」を狩っていたことから少しずつ変わりはじめていたのだろう。冒頭で「人を操るのが得意」と言っていたインスタグラマーがどうなったかは分からない。けど、うまくやったんじゃないかと思う。最後の最後で「逆転」は難しいのかなと思った。
最後まで見ると面白かったなと思う。ただ、冒頭のとにかく「不快」を表現するシーンがその通り不快で自分にはかなりきつかった。
もちろん、それが込みで作られているのは分かるけど…。
