やったカニ

アルマゲドン・タイム ある日々の肖像のやったカニのレビュー・感想・評価

3.7
寒色、冬のニューヨークが綺麗。物語の起伏は少なく、しっとりと進んでいくので、所々寝てしまった。

この世はどうしようもないほど不公平だということを学んでいく少年ポール。恵まれた家庭環境ゆえ、社会的強者の集団に属することもできたポールは、学校や親からのステレオタイプな期待や考えと、自分の夢や理想の間で板ばさみ。
親に同情する部分と、子に同情する部分両方がたくさんあった。(これは、おれが大学生という中途半端に大人というカスい立場にいる人間だからかもしれない。)
子が罪を犯したら、頭真っ白になるだろうな。子を信じたいけど、叱らねばならないし自分の社会的立場もあるし、それでも体罰はしないだろうし見捨てることはできないよな、とかとかとか。
救われた時には、素直に感謝しなさい。という父親の言葉、不公平な世の中を受け入れ、飲み込む術なのだな。
社会的弱者は夢を見ることさえできないのか。
ポール・グラフよ、高潔であれ。
やったカニ

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