2035

クライムズ・オブ・ザ・フューチャーの2035のネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

人間たちが息を荒げたり、ぺちゃぺちゃ音を立てて身体を捏ね合ってたりしている様子を、自分は官能的に感じられないらしいとあらためて思った。

公開手術が芸術であるかどうかはさておき、人間が痛みのない肉体を持ち得た場合は より装飾的な文化がさかえそうだが、どうなのだろう。登場人物たちは皆それほど奇抜ではなかった。(もしかするとそうした時期を経て…という設定なのかもしれない)
セックスの代わりに身体を切りつけ合うなどの行為も、無痛であれば「指一本をスパッといく」などの大味な方向にむかいそうなものだが、意外にもささやか。焦らし的なそれなのか、あるいは良識的には傷をつけることはあまり推奨されていないのか。

身体改造に関しては、セイリーンインフュージョンやスカリフィケーションは現時点で見ても未来的ではなく、後者はむしろ古典的ですらあるため、懐古趣味的な表現のように感じられた。この映画において身体に固執すること自体がそれなのかもしれない。
器具のたぐいが ウィンウィン ガチャガチャ ピコピコ とあまり洗礼されていない印象があり、そこには世界観の必然性よりも予算的なことを考えさせられてしまい残念。
全体として外連味が強く、自分にとっては要所要所で立ち止まってしまう作品だった。
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