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聖地には蜘蛛が巣を張るのsheのレビュー・感想・評価

聖地には蜘蛛が巣を張る(2022年製作の映画)
4.0
こんな事が現実で起こってるの、まじ最悪すぎてしんどいです。評価をつけて良いものか分からないけど、この陰鬱さは映画としての完成度の高さからくるものでもあると思う。勝手に16人を殺害した犯人は誰なのか?っていう話かと思ってたら全然違くて、もっと暗くて根深くて、簡単に解決なんてできない話だった。毎回思うけど宗教ってなんなんだよ…個人の解釈で如何様にも形を変えて人を傷つけて良いのなら、それはもう悪じゃん。。法的には裁かれたものの、トンデモ思想がそのまま息子に継承されていく恐ろしさにぞっとした。
ホテルチェックイン時の嫌がらせから始まり、密室で脅してくる警官、夜道でつけてくるバイク。女性が死ぬ瞬間を3度も映し、単純に力では男性に及ばないという事実を、嫌というほど見せつけられる。全てが胸糞悪くてむしゃくしゃするし、サイードの妻の軽蔑的な言動がトドメを刺してくる。男が女がでは無く、社会全体が女性を、さらに立場の弱い女性を舐め腐っている。そんな最悪な瞬間が同時にいくつも起こっているかもしれない地上の光が集まって、蜘蛛の巣のように輝く夜景に浮かぶタイトルバックがめちゃくちゃカッコよくて不気味だった。
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