イーサン

ゴールデンカムイのイーサンのネタバレレビュー・内容・結末

ゴールデンカムイ(2024年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

原作未読です。
レビューとは関係ないですが、若い人だけでなく年配の方の観客も多かったことに驚きました。全体的な感想としては、見どころ豊富で決して退屈ではないのに、時間が長く感じてしまったって感じです。(あっという間感はない)

良かった点
・アイヌ文化を実写として映像化した点
 ここがやはり今作の最大の意義ではないでしょうか。認知度のある俳優の方々がアイヌ語を話す、アイヌの料理を食べるといった映像を老若男女に届けることはアイヌ文化の振興に大きく寄与すると思います。アイヌ文化についてよく知らなかった私にとって、勉強になりました。

・衣装
 良かった点というより、思ったより良かった点。予告の段階で衣装がチープ過ぎないか?と心配しましたが、思ったより衣装に違和感を感じなかったです。

・アクション
 血生臭いアクションでキングダムと対になってるのが良かったです。指や足がなくなったり、ある程度グロい描写もありますが、それによって人間臭さが表現されていたと思います。とくに塹壕でのアクションは古くから映画で度々登場しますが、今作のは躍動感があり新鮮でよかったです。

良くなかった点
・構成が変。
 基本の構成だとキングダムと似て捉えられるのを製作側は恐れたのか、今作は構成が少し変です。まず具体例について話します。終盤に杉元の脱出劇、そこから陸軍?からの追跡劇というクライマックスっぽい展開が繰り広げられます。無事杉元たちは陸軍から逃げ切りエンディングかと思いきや、そこから杉元がアシリパに金塊を探す理由を長々と語るシーンが始まります。私の気分的には杉元の逃げ切りで終わってほしかったのです。金塊探しの独白のシーンは中盤でやっとけと思うのです。
次に起承転結が曖昧で、こちら側の準備なく攻防戦が始まったり、突然コミカルシーンが始まったりしてこちらの感情が追いつかない箇所が多々ありました。起承転結ははっきりしてくれと思いました。そして、本編終了後のオマケ映像がくどすぎます。ちゃんと本編で完結してほしかったです。(土方とか鶴見のその後は本編で挿入すべきの重要なシーン。)

・ドラマ部分
 特に杉元とアシリパの関係について違和感がありました。杉元が最初から割といいヤツなので、特にアシリパやアイヌ文化と出会って実際成長するのですが、「印象」としてめちゃくちゃ成長した感がないのです。観客としてはこの手の話に主人公の成長に期待するのですが、今作では悪い意味で裏切られたと思います。アシリパも杉元に対して、出会った当初から和人への抵抗感なく普通に交流する感じにも違和感を感じるのです。

・説明セリフ
 説明台詞が多くて少し萎えました。特にアシリパによりアイヌ文化の説明。あまりにも説明セリフでアシリパが時々Siri に思えました。アイヌ文化について一定の説明が絶対必要ですが、
台詞以外の手段である程度見せてほしかったです。(これはおそらく難しいリクエスト、すいません。)

・コメディ描写 
 演者の顔芸に頼ってる部分が多く特に前半は全然笑えなかったです。(全く笑えなかったわけではない。)あとウ◯コ関係のセリフがくどすぎました、個人的に。

このようにかなり棘のある言い方をしてしまいましたが、結局はアイヌについて学べたしまぁまぁ面白かったし一定の満足度はありました!
イーサン

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