こたつむり

ゴールデンカムイのこたつむりのレビュー・感想・評価

ゴールデンカムイ(2024年製作の映画)
2.3
♪ Give me some truth
  “本日も反省の色はなし”

まさに「仏作って魂入れず」。
上っ面はとても見事なんです。3巻くらいまでの原作を見事にトレース。オリジナルを無理に入れず、線路からはみ出さないように作ったことが伝わってきました。

でもね。熱くないんです。
魂の叫びを感じないんです。
ひたすらに“無難”なものを作っただけにしか見えないんです。

あと、観客に対する配慮もダサ過ぎ。
アイヌ語や当時の貨幣価値とかに字幕で注釈が出るんですが、それって物語においてはノイズ。「教養として押さえておけ」と開き直るくらいがちょうど良いと思うんですが。

だから、演技指導とかもしていないんでしょう。
そもそも「役者さんの良い表情を捉えよう」とか「ここの角度が一番キマッている」とか、そんな意図も感じませんからね。素材を大切に…と言いながら、手を抜いているだけにしか思えないのです。

なので、かなり眠かったです。
冒頭の戦争場面からして緊迫感ゼロですからねえ。予算とか技術とか、制約が色々とあったとしても…ホンモノを撮る…そういう気概があれば迫力は増すと思うんですが…そもそも、あの場面は必要だったのかなあ…。

唯一、良かったのは食事の場面。
というか、本作の本質は“そこ”にありますからね。アクションとかサスペンスとか、そういう要素は飾りなんです。偉い人にはそこんとこが分からんのです。

まあ、そんなわけで。
原作は3巻までしか読んでいない僕ですが…ダメ出しする資格はないかもしれませんが…面白くないものに面白いと嘘をつく罪は犯せないので…沈黙は金でも罪となる時もあるので…あまりオススメしたくない作品と言わざるを得ません。

続編を作る気が満々なのも…。
ちょっと、いや、かなり肩が下がります…。
それならば連続ドラマで良いじゃん…とか思っちゃうんですが…予算が確保できないんだろうな…。それが今の日本の限界なのか…。

とか書いた後に続編をWOWOWで放映することを知りました。うん。そっちの方が良いと思う。
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