つかれぐま

ノック 終末の訪問者のつかれぐまのレビュー・感想・評価

ノック 終末の訪問者(2023年製作の映画)
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ありえない展開の話に驚き、トンデモなオチに「んなわケッ!」と笑い、最後になぜかホッコリする。このお約束がシャマラン映画のお楽しみなのだが、今回は期待外れ。ジョーダン・ピール『アス』との類似感もあり、残念な出来だ。

これは自分だけかもしれないが、途中から「ああ今回はオチを付ける気はないな」と分かってしまった。そういうシャマランらしさの欠如だけでなく、主人公一家の家族構成に変な意図を勘ぐってしまう。

世界のために犠牲になれ。
と言われる「家族」を、なぜゲイカップル+養子(異人種)という二重のマイノリティーにしたのか。「お前たちの夫婦愛と親子愛が本物か?確かめてやるぜ」そんな保守派視点のいやらしさと、そこに屈したかのような着地が悔しい。

シャマラン自身の思想がそうだとは思わないが、ストーリーテリングの失敗例かな。