滝井椎野

呪詛の滝井椎野のレビュー・感想・評価

呪詛(2022年製作の映画)
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上手く作られた洒落怖を寄せ集めて上手くまとめたような作品で、全盛期にその手のものを楽しんでいた身としては何となく懐かしさを感じた。
それ以外にも、『リング』や『仄暗い水の底から』なんかのジャパニーズホラーに通じるものを節々に感じ、なかなかどうして、日本人ウケが良い理由が分かった。
着信仰の禁忌を破ったことで引き起こされる呪いの数々と、それに抗う母から子への愛は何とも相性がよく、不条理さや理不尽さ、どうにもならない状況からより最悪な選択を取らざるを得ない人間の弱さがよく映える。それらが最高に胸糞が悪く、さらには虫や蓮コラなんかの生理的に嫌悪感を抱かせる要素が割とあり、ずっと嫌な気持ちになる。
最後の締めくくり方も『お憑かれさま』を彷彿とさせ、呪いが連鎖するジャパニーズホラーのような嫌な部分がしっかりと出ていて良かった。
滝井椎野

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