シネラー

バッドマン 史上最低のスーパーヒーローのシネラーのレビュー・感想・評価

3.5
"アメコミ映画疲れ"も囁かれる昨今だが、
公開時に気になっていた
ヒーロー・コメディ映画を初鑑賞。
不本意ながら最近のアメコミ映画よりも
映画としての純粋な面白味は、
本作の方が上だと感じる位に
楽しい映画だった。

ヒーロー映画『バッドマン』の主演に
抜擢された売れない役者セドリックは、
事故による記憶喪失を切っ掛けに
本物のヒーローだと思い込んでしまう
コメディ映画となっているが、
本当にMARVELやDCから怒られないかと
心配になる下ネタ有りのコメディだった。
冒頭から某アメコミ映画を想起する
パロディが散りばめられており、
本家で使用された楽曲が
そのまま使用されたり、
BGMもそれっぽく寄せているのにも
笑えてしまった。
随分と貧相なアベン○ャーズに
バット○ンが描かれた末、
必ずと言っていい程に
笑いのツボがあるのは良かった。
そんなコメディ一辺倒だと思いきや
終盤にかけては正にヒーロー映画で
父と子の物語やロマンスが真面目に描かれ、
全てが丸く収まっていく
物語の纏まり方も好印象だった。

全体的に笑えるコメディだったが、
下ネタ要素もそれなりにあるのは
好き嫌い感じられる部分だった。
サム・ライミ版の『スパイダーマン』
のパロディ部分が典型的で、
笑いよりも下品さが
個人的に勝っていると思った。
又、多方面でアメコミ映画を
パロディしている割には
ポストクレジットシーンが無く、
その上でコメディ映画としては普通に
綺麗なハッピーエンドを迎えるのは、
笑えるエンディングにならない
コメディ映画として少し残念に感じられた。

正に頭を空っぽにして笑う映画であり、
アメコミ映画好きなら好きである程に
パロディが理解できて面白い作品だ。
例え知らなくても下らないコメディ展開
で笑えてしまう上に、筋が通った物語で
楽しめる映画だった。
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