味噌のカツオ

グリーンバレットの味噌のカツオのレビュー・感想・評価

グリーンバレット(2022年製作の映画)
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中心となるのはミスマガジン2021受賞者の6人。
“映画的には”社会生活からこぼれた6人の若い女性たちが、殺し屋になるための合宿に参加するという流れ。

合宿といっても運転免許取得な感じではなく。
“わたくし的には”アイドルを目指す女の子たちが、生き残りバトルやスキルアップの訓練を通して絆を深めていく…イメージだったんだけど。

それともちょっと違うかな。このまま進んだとして、たぶん辿り着く先は殺し屋然とした殺し屋ではなく。『ベイビーわるきゅーれ』のちさととまひろ的なる、ユルさ込みの殺し屋なんでしょうね。
阪元裕吾監督の作品なので当然ですが。

ただ率直に見た印象では、序盤の6人の自己紹介パートがイマイチというか。
各々個性があるのはイイんだけど、それをモノにできていない。演じている感がありありで、ちょっと乗り切れないところがあって。

モキュメンタリーなのは承知なんだけど、この子は こういう子なんだというのが、もうちょっと自然だと良かったですね。
国岡なんかは 物腰も語り口もやわらかいんだけど、“仕事”の時は一変する人なんだろうな…が伝わるので。
モキュメンタリーなりのリアルがあるという感じで。

実際の合宿での訓練内容も全般的にグダグダで。どうせなら もうちょっと踏み込んだり、もうちょっと出来・不出来の差が見られても良かったかな。

そうした惜しい部分を拾い出すと、多分に6人のレベルが…ということになるのかもですが。
実際、女優というわけでもないし、タイミング的にはミスマガジンに選出されていきなりだと思うので、まだ ほぼ素人な時期なので。
多くを求めるのは厳しいのかなと理解はしたわけですが。

それでも…ラストのバトルの中では果敢にアクションに挑戦をしており、それこそ合宿中のユルさからは一歩進んだ姿が見られたし。
また最後に6人が手を添えての一撃は、ベタ中のベタではあるんだけど。

個性もキャラもバラバラの彼女たちが、ひとつの目的に向かって力を合わせるその姿に、ついつい「はっはあ~!」と吐息を吐きながら胸アツにさせられてね。
大方の予想通りな展開であり 内容ではあるんだけど。

それでも、しっかりと「良いじゃないか!」と。
「この先の人生も頑張れ!」とエールを送りたくなる…結果 感情移入させられたということであるなら。良き作品であったと思うわけであります。
味噌のカツオ

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