⚪概要とあらすじ
「新聞記者」「余命10年」の藤井道人監督のオリジナル脚本を、横浜流星主演で映画化したヒューマンサスペンス。「新聞記者」「ヤクザと家族 The Family」「空白」などを手がけ、2022年6月に他界した河村光庸プロデューサーのプロデュース作品。
美しい集落・霞門村（かもんむら）に暮らす片山優は、村の伝統として受け継がれてきた神秘的な薪能に魅せられ、能教室に通うほどになっていた。しかし、村にゴミの最終処分場が建設されることになり、その建設をめぐるある事件によって、優の人生は大きく狂っていく。母親が抱えた借金の返済のため処理施設で働くことになった優は、仲間内からいじめの標的となり、孤独に耐えながら希望のない毎日を送る。そんな片山の日常が、幼なじみの美咲が東京から戻ったことをきっかけに大きく動き出す。
⚪キャッチコピー
“この世界(ムラ)のなかで、今。”
⚪感想
ヒューマンサスペンス作品。
邦画は洋画と違って見終わったあと重い。
村の呪い。
人々の視線。閉鎖的で陰湿で暗い。
ずっとジメジメしている。
横浜流星さん。
ダンガンロンパの舞台をやっている時は舞台俳優ぐらいの感じだったけど今は演技派の俳優さんだなと。
元々少し寂しげな印象があるからかどちらかと言うと犯罪者やくらい映画の出演が多い気がする。
今作での危機が迫ってる際の表情がとにかく良かった。目と顔が引き攣るところが特に。
綺麗なお顔だけど血まみれだったりボロボロの姿が似合うので優くんが辛い目に合う方が見応えある。
一ノ瀬ワタルさん。
『相棒』や『おむすび』に出演されているのを最近見たけど個人的に演技が一緒で苦手。役どころとしてはあっている。
作間龍斗さん。
プライベート写真流出して炎上してた子で知ってたけどシンプルに演技が上手くて印象に残った。
吃音も自然に演じていた。
ゴミ処理場しかない村なのに急にテレビで取り上げられただけであんなに観光客が増えるのかはやや疑問。
能がストーリーとリンクしている。
ゴミの山の穴から聞こえる呼吸音や爆発しそうな心を抑えるための能のお面など好きなシーンも幾つか。
もう少し捻りや変わった展開があってもいいんじゃないかと勝手に思ってしまった。
⚪以下ネタバレ
犯罪者の息子からテレビに出て光を浴びる男性になったのに結局は父同様犯罪者になってしまったのが呪いというか負の連鎖というか。
邯鄲という能の演目。
ある枕で寝たところ偉くなり数十年祭りを行いある日起きて夢だったと悟るとかそんな内容だったような。
優くんも最初は犯罪者の息子として落ちぶれていたけどツアーの案内役を任され光を浴びる。しかし、犯罪がばれ人を殺し火をつけ自分も犯罪者となってしまう。
優くんが美咲の弟を利用して誤魔化そうとした時の狂いっぷりめちゃくちゃ良かった。
車で事故って弟くん死んじゃう展開かと思ったから生きてて良かったけど美咲に弟は優くんがヒーローでとか家にいるといつも優くんの話をしてるは罪悪感で致命傷だろうなと。
幼い優くんが見つめる能の演目の炎と家が燃えている炎と現在の優くんが見つめる村長の家の炎の演出が上手い。
⚪以下あらすじ(Wikipediaから引用)
山の上の神社、その更に上の山にゴミ処理場が建設されてしばらくの時が経つ霞門村。そのゴミ処理場建設に反対をし殺人を犯した父親のために"犯罪者の息子"という烙印が押された片山優は、そのゴミ最終処分場で働いていた。
その最終処分場の現場は村長の息子である大橋透が仕切っており、優は日常的に暴力を振るわれていた。その上、帰宅すれば母から金を要求され、その母が作った借金返済のために、非合法的に施設に産業廃棄物を投棄する作業を手伝う毎日。スーパーで弁当を買えば"犯罪者の息子"と蔑まれる等、優の人生に希望は無かった。
そしてある日、優の幼なじみの美咲が数年ぶりに東京から戻り、ゴミ処理場で広報として働く事となる。優を気づかう美咲。ある時、職場で美咲が優を子供向けツアーの案内役に抜擢する。
⚪鑑賞
シネマスペシャルで鑑賞。
