ダリオ・アルジェントといえば、殺人鬼！鮮血！ゴブリン！みたいな強烈なイメージがありますが、今作はひと味違いました。
殺人鬼あり、血まみれあり、ゴブリン風の音楽だってあります。しかし、何か違うんです。
一番大きいのは、これまでのように手を替え品を替え主人公を痛ぶっていくようなサディスティックさがあまり無いという点でしょうか。
たしかに主人公が悲惨な目に遭いますが、無慈悲に蹂躙されるようなことはなく、代わりにどんな絶望的な状況にも屈しない主人公の強さや美しさみたいなものが際立った作品だったと思います。
手と手を取り合って生きていく人たち（犬も！）の姿になんだか癒され、励まされ、勇気づけられるような感覚がアルジェント作品で味わえるとは思ってもみなかったので驚きました。
そうは言ってもヘビのシーンみたいなすごく珍妙でアルジェントらしい場面もあるんですが！
