ピュンピュン丸

ウエスト・サイド物語のピュンピュン丸のレビュー・感想・評価

ウエスト・サイド物語(1961年製作の映画)
3.7
リメイクのウェストサイドストーリーのほうを視聴し、脚本に納得いかなかったので、オリジナルを30年ぶりくらいに視聴。

結論として、ストーリーはほとんど同じでした。

特にリメイク版を視聴した時に納得いかなかったマリアのトニーに対する要求、「(ジェッツ対シャークの)決闘をやめさせて」も同じだった。

改めて言わせてもらうと、不良グループから距離を置いて更生しつつある青年に、この要求は、いくらなんでもない。しかも恋人の予感がある人にだし。

ただオリジナルのほうがマリアの要求がリメイク版ほど強くない。オリジナルのほうはもともとトニーにやめさせる気が少しあり、大事に至らないよう素手の決闘にさせていたから(マリアが余計なこと言わず、そのままでよかったわけだ)。リメイク版は、トニーが行きたがっていないのに、「よく見過ごせるわね、私と付き合うというのなら決闘を止めてきて」という態度。

男にとって女は魔性だ。あらゆる誘惑をはねのけ、更生の道を歩んでいたのに、最後に最大の障害にぶち当たったとしか思えない。

オリジナル、リメイクともにダンスは素晴らしいが、歌はオリジナルのほうが上。とくにナタリー・ウッドの歌声は白雪姫のようだ。

オリジナル、リメイクともにトニーがマリアのアパートの下から愛を語るシーンは美しい。あのシーンが一番印象に残る。

映像もキレイだしオリジナルで充分で、あまりリメイクする必要を感じなかったが、唯一、時代の流れで作りかえる必要があったとしたら、男っぽく不良ぶる女の子に「女は女らしくしろ!」って、メンバーの男たちが折りに触れ、言うところだ。

ミュージカル映画だし、ダンスと歌を楽しむ映画ということで、ストーリーの細かいところにこだわった自分の方が間違いのよう。

自分的には、ロバート・ワイズ監督ナタリー・ウッド主演の本作のほうが好き。