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ウエスト・サイド物語のundoのレビュー・感想・評価

ウエスト・サイド物語(1961年製作の映画)
4.4
命の日の続く限り。

シェイクスピアの「ロミオとジュリエット」を原形とし、アメリカを舞台に現代風にアレンジした名作ミュージカル。
互いに相容れない、別のルーツを持つ2つの若者グループの争いの中で、運命に翻弄されるマリアとトニーの物語。

シーン単位では、パロディ含めてあちこちで観たような気がするけど、オリジナルをきちんと通して観るのは初めて。

ダンスが予想通り、いや、予想以上に凄かった。

ラフでカジュアルな衣装の若者達が、美しいバレエベースのダンスで街中を闊歩する姿は、大きな衝撃。
人数も多いから映える映える。

2つのグループが入り乱れて踊りまくるプロムの
メドレー、移民への差別を皮肉る「America」、マリアとトニーが永遠の愛を誓いあう「One hand,One heart」、運命の一夜が始まる緊迫感をいやが応にも盛り上げる「Quintet」
バーンスタインの名曲たちと、要所に出てくる鮮やかな赤が印象的な映像効果と相まって、全てが見せ場。書ききれない!

個人的ベストはやっぱり「Cool」
ここまでキレキレのダンスを見せつけられ、「クールになれ」ってそれは無理!
締めの構図も完璧。

キャストも素晴らしいんだけど、ナタリー・ウッドのヒロイン感は見事。トニーを待つ屋上のシーン、すごく絵になる。「三十四丁目の奇蹟」の女の子がこんなに素敵になって(つД`)
他には、ベルナルド役のジョージ・チャキリス、アニタ役のリタ・モレノが素晴らしい。みんなすごいですよ。

運命に支配されながらも、愛と憎悪にもがく若者たちの力強い生を、最高の歌と踊りでたっぷり楽しめる、贅沢な作品。
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