皿鉢小鉢てんりしんり

ウエスト・サイド物語の皿鉢小鉢てんりしんりのレビュー・感想・評価

ウエスト・サイド物語(1961年製作の映画)
3.4
ダンスパーティーで、キスシーン寸前にけたたましい警笛がロマンチックな静寂を破るので、てっきりハッとして未遂というパターンかと思ったら、構わずやってやるというのが斬新であった。
仕立て屋さんで結婚式の真似事をやるのだが、これだけ徹底した真似事が行われるということはもう2度と繰り返されることはないだろうと思わざるを得ず、悲劇的な予感がしている。
喧嘩にはいかないよ、という男に対し、むしろ行って止めてこいと言う女、というのもなかなか珍しい展開だ。そうして止めようとすると、さらに悪い方向に行く。刺されながらナイフを手渡されたら、やっぱり刺し返すしかないよなという説得力もあり、止めてくるってのは難しいですな、と肩を持ちたい気もする。
アニタさんがレイプされかける時に、不良たちが、気弱なベイビージョンと交配させようとしていて、60年代は結構突っ込むなぁと感心した。
前半部のラストで心配するおじさんを気にも留めずに、主人公はウキウキで街灯が照らす光の円の中に入っていかれるが、そこがお前の死に場所になるんだからなかなか皮肉が効いているのだ。