待つ女。待たない女。待つことになる女。3者による喪失と獲得の映画。
待つことは愛なのかもしれないけどある種の復讐でもあるなと思った。勝手にリスタートなんかさせない、そういう覚悟も透けて見えた気がする。
なぜ失踪したのかは分からないし、分かったところで納得はしない。忘れて新しい道を行くことも何ら否定されるものではないし、過去と物語にすがって生きていくこともまた人間なのだと思う。
田中裕子に言い寄る鬼のメンヘラ漁師ダンカンが印象的。周りの漁師連中と愚かな母親も含めてさっさとくたばれ気持ち悪い。
「支えたい」は「支えてほしい」だし、「君のことを思って」は100%エゴイスティックだなーと。
田中裕子の佇まいだけで満足しちゃうけれど、にしたってローテンポで眠たかったです。
