すずき

ファンタスティック・プラネットのすずきのレビュー・感想・評価

3.5
舞台はいつかどこかの惑星。
そこでは青い体と赤い瞳の巨人、ドラーグ族が惑星の支配者だった。
人類は彼らにとっては、小さく寿命も短く、気づけば大量に増殖している害虫そのもの。だが、ドラーグ族の中には、人間は想像以上に知性があるのでは?とする意見もあった。
ある日、ドラーグ族の少女ティバにペットとして拾われた人間・テール。
彼は、脳に直接知識を送信する、ティバの教育用レシーバーを使い、ドラーグの知識を吸収していく。
レシーバーを盗んで逃げだしたテールは、ドラーグ族から隠れて住む人類たちの群れと接触する…

誰も見たことのない惑星の情景を、丁寧な手書きの切り絵アニメーションで幻想的に描いたフランス産アニメ。
カルト映画だけど、ストーリーは分かりやすく、悪くない。
しかし、この映画の売りは、何と言っても独特のビジュアルで、絵だけ楽見ていても楽しめる…ハズ。

この惑星に住む奇妙な生物や植物、そしてドラーグ人の文明機器は、どれも人工物なのか自然物なのかはっきりしないデザイン。
宮崎駿はこの映画を見て「ヒエロニムス・ボッシュの絵みたいな」と評したそうだが、まさにその通りだ。
ビジュアルセンスも圧巻だけど、その独特の世界観にマッチした電子音楽もファンタスティック!