このレビューはネタバレを含みます
39歳で、膵臓がんによって、余命宣告されたブノワ・マジメル演じるバンジャマンとそれを支えるカトリーヌ・ドヌーブ演じる母親の終末医療の物語。
バンジャマンが演劇学校の教師で、熱心に生徒に教える姿や俳優としては鳴かず飛ばずだった設定も上手く映画に取り込まれている。
何と言っても、主治医のエデ役をガブリエル・サラ氏という本物のがん専門医が演技している。
看護師同士が励まし合うミーティング、音楽セラピーやタンゴの講演会は実際に企画してやっていること。
さらに、1人や2人を除いて、登場する人物が実際の病院スタッフや患者を出演させるという徹底ぶり。
バンジャマンが死の直前の時に、エデ医師が姪の結婚式に出席するため、休みに入るからと、はっきりと今日で最後だからと別れを告げるシーンが印象的。
また、その休日に、車の運転中に看護師からバンジャマンが死んだことの報告を受けて、あっさりと分かったと言うところの仕事とプライベートの空間の割り切り方がすごいと思った。
映画で、こういったところを描くのも珍しかった。
しかし、セシル・ドゥ・フランス演じる看護師がバンジャマンにキスするシーンは唐突だった気がしたけど。