ハナちゃん

愛する人に伝える言葉のハナちゃんのネタバレレビュー・内容・結末

愛する人に伝える言葉(2021年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

最期の時をどう過ごすか、どう死んでいくのか、否応なく考えさせられる。ガン末期のドラマを安っぽいドラマにさせないのは、本人、母親、周りの人達の心情や心の変化が丁寧に描かれていて、何よりも寄り添う医師役のガブリエル・サラの哲学が多くの最期を看取った本物の哲学だからだろうと思う。
医師からは、それまで生きてきたことを「整理する」ことを課題として提案される。1つ1つ向き合って清算していく作業で、それは同時にどう生き切るかを寄り添う側も含め模索する事。かなり濃密な時間となる。
マジメルの演技が素晴らしいのと、カトリーヌドヌーブがオロオロする母親で愛しさを感じさせる。それから未来へ夢見る生徒たちの初々しさも、彼らに最期を託す主人公の情熱がぶつかる白熱したエチュードの場面も見応えがあった。