アンダーカレントのハナちゃんのネタバレレビュー・内容・結末

俳優たちが、良いなぁ。
かなえの芯の太さ、堀の実直さ、悟の捉えようのないあやふや感。山崎もちろんオモロいけど、江口のりこのしたたかさや、中村久美や康すおん！の細やかな演技もジワジワと映画をおし進める。

特に後半はやられた。各々の人物は、淡々と語るセリフの奥に流れる強くて重い「アンダーカレント」を確かに演じていたし、それは映画全体のアンダーカレントという強い1つの流れとなって、意外な程ズーンと感動してしまった。

じつは1回目は、長いしナンヤロ？こんなに説明しなくてもいいし、原作の時代から世間の認識はだいぶ進化して、テーマをそのまま扱うにはただ説教臭くなるかな、と。
でも2回目に観た時は、ズーンと不思議な感動だった。セリフやテーマなんかに囚われないで映画に委ねて見たのが良かったかも。

セリフは本当に表面なんだね、演じてるのはそこじゃないんだね、と改めて感じ入った次第。嘘と本当、生と死、他人と自分、思い込みと誤解。相反するようで隣り合せ。自分の事もよくわからない。監督はじっくりと掬い取った良いんだな。
何しろ映画館で観て良かった、ということです。